BMW F30の320iおよび320dモデルは、その卓越した走行性能と洗練されたデザインで多くの愛好家から支持されています。
特に、前期型と後期型ではエンジンからヘッドライト、さらに故障傾向に至るまで、細かながらも重要な違いが存在します。
前期型の320iに搭載されているN20エンジンと、後期型に見られるB48エンジンでは、スペックと性能面で顕著な差異があります。
また、320dモデルもエンジンの変遷により、燃費効率とパフォーマンスが向上しています。
さらに、視認性とデザインを一新したLEDヘッドライトの導入や、前期型と後期型で異なる故障傾向など、購入を検討している方が知っておくべきポイントが多数あります。
BMW F30 前期と後期の違いに関するこれらの要素を深掘りし、あなたのBMW選びの参考になる情報を詳細に解説します。
記事のポイント
・前期型と後期型のエンジンのスペックと性能の違い
・320iと320dモデルにおける燃費効率とパフォーマンスの向上に関する情報
・ヘッドライトのLED化による視認性の向上とデザイン変更
・前期型と後期型の故障傾向とそれに伴うメンテナンスの違い
BMW F30 前期と後期の違いを徹底比較
・BMW F30 320i 前期と後期のエンジン変更点
・F30 320i N20エンジンのスペック
・B48エンジンのスペックと特徴
・F30 320d 前期と後期のエンジン比較
・ヘッドライトのLED化について
・F30 前期と後期の故障傾向
BMW F30 320i 前期と後期のエンジン変更点
BMWの3シリーズ、F30モデルの320iには前期型と後期型があります。
これらのモデルは見た目は似ていますが、エンジンに重要な変更点があります。
前期型に搭載されているのはN20エンジン、これは2.0リッターの直列4気筒ターボエンジンで、力強い加速と優れた燃費性能を持ち合わせています。
しかし、後期型ではエンジンがB48に変わりました。
この新しいエンジンも同じく2.0リッターの直列4気筒ターボですが、より環境に優しく、効率的な性能を持っている点が大きな違いです。
具体的には、燃料消費効率が向上し、排出ガスのクリーン化が進められています。
そのため、同じ320iでも後期型の方が少しでも環境に配慮した走りが可能になっているのです。
F30 320i N20エンジンのスペック
F30 320iの前期型に搭載されているN20エンジンについて、もう少し詳しく見てみましょう。
このN20エンジンは、最大出力が184馬力、最大トルクは27.5kgmを発揮します。
ターボチャージャーのおかげで、低回転から高回転までスムーズに力を出し、市街地の走行から高速道路まで幅広いシーンでの運転を楽しむことができます。
加速性能に優れている一方で、燃費効率も良く、経済性にも優れている点が魅力の一つです。
燃費は、WLTCモードでの平均燃費が約16.0km/Lとされており、パワフルながらも燃料の消費を抑える設計がされています。
また、N20エンジンは軽量化も図られており、車両の総重量を軽くすることで、より敏捷な運転感覚を実現しています。
BMW 320i エンジン・燃料系・環境仕様スペック
エンジン・燃料系
項目 | 詳細 |
---|---|
エンジン型式 | N20B20B |
最高出力 | 184ps(135kW)/5000rpm |
最大トルク | 27.5kg・m(270N・m)/1250~4500rpm |
種類 | 直列4気筒DOHCターボ |
総排気量 | 1997cc |
内径×行程 | —-mm×—-mm |
圧縮比 | 11.0 |
過給機 | ターボ |
燃料供給装置 | デジタル・モーター・エレクトロニクス(DME/電子燃料噴射装置) |
燃料タンク容量 | 60リットル |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
環境仕様
項目 | 詳細 |
---|---|
WLTCモード燃費 | —-km/リットル |
JC08モード燃費 | 16.6km/リットル |
10モード/10・15モード燃費 | —-km/リットル |
B48エンジンのスペックと特徴
BMWのF30 320i後期型に搭載されているB48エンジンは、先代のN20エンジンから引き継がれた技術に、さらなる磨きをかけた進化版です。
この2.0リッター直列4気筒ターボエンジンは、最大出力が184馬力から258馬力へと大幅に向上しており、最大トルクも36.7kgmと高められています。
B48エンジンの大きな特徴は、低回転からでも力強いトルクを発揮できる点です。
これにより、日常の走行からスポーティなドライビングまで、幅広いニーズに応えられる柔軟性を持っています。
また、燃費性能も向上しており、環境への配慮と経済性を兼ね備えているのが魅力です。
燃費は、平均して17.0km/Lとされ、先代のN20エンジンと比較してもより効率的になっています。
B48エンジンは、静粛性にも優れており、高速道路での長距離運転でも疲れにくい設計が施されています。
F30 320d 前期と後期のエンジン比較
BMWのF30 320dに搭載されるエンジンも、前期型と後期型で大きな変更があります。
前期型の320dにはN47という2.0リッター直列4気筒ディーゼルエンジンが搭載されており、最大出力184馬力、最大トルク38.7kgmを発揮します。
このN47エンジンは、その高い燃料効率とパワフルな走りが魅力ですが、後期型ではさらに進化したB47エンジンに変更されています。
B47エンジンは、同じく2.0リッター直列4気筒ディーゼルですが、最大出力が190馬力へとわずかに向上し、最大トルクも40.8kgmへと高められています。
また、燃費性能の向上にも力が入れられており、よりクリーンな排ガスを実現しています。
B47エンジンの大きな特徴は、低回転からのトルクの太さと、排気ガス後処理システムによる環境性能の高さです。
これにより、スムーズな加速と共に、環境に優しい走りが可能になりました。
ヘッドライトのLED化について
BMW F30モデルでは、後期型に移行する際に、ヘッドライトの大きな変更点の一つがLED化です。
この変更は、車両の視認性を大幅に向上させるとともに、デザイン面でも現代的な印象を与えます。
前期型に搭載されていた従来のハロゲンまたはバイキセノンヘッドライトと比べて、LEDヘッドライトは明るく、白い光を放ちます。
この光は夜間の視界を明確にし、運転の安全性を高めます。
さらに、LEDヘッドライトはエネルギー効率が高く、長寿命であるため、メンテナンスの手間が少なく経済的です。
また、LED化はヘッドライトだけでなく、デイライトやウィンカーにも及び、車両の一体感を強調しています。
ただし、前期型から後期型へのアップグレードを考えている場合、ヘッドライトユニット全体の交換が必要になることがあり、その費用は高額になる可能性がある点は注意が必要です。
F30 前期と後期の故障傾向
BMW F30モデルの前期型と後期型では、いくつかの故障傾向に違いがあります。
前期型に多く見られる故障としては、エンジン関連の問題、特にオイル漏れや冷却系統のトラブルが挙げられます。
N20エンジンを搭載する前期型では、オイルフィルターハウジングガスケットやタペットカバーガスケットからのオイル漏れが報告されています。
また、車速センサー(DSCパルスセンサー)の故障も比較的多く見られ、これにより走行に支障はないものの、警告灯が点灯するケースがあります。
一方、後期型ではエンジンがB48やB47に変更されたことで、エンジン関連の故障は減少傾向にありますが、インフォテインメントシステムの不具合や、エアコンの吹き出し口が正しく機能しないといった電子機器関連のトラブルが報告されています。
どちらのモデルも、定期的なメンテナンスと早期の不具合対応が重要であり、購入を検討している場合は、これらの故障傾向に注意し、保証やアフターサービスを確認することが推奨されます。
BMW F30 前期と後期の違いから見る購入ガイド
・前期モデルの特徴とメリット
・後期モデルの改良ポイント
・エンジン性能の比較:N20対B48
・故障リスクとメンテナンスコスト
・最適なモデルの選び方:購入する際のポイント
前期モデルの特徴とメリット
前期モデルのBMW F30 は、特にその信頼性の高いエンジンで知られています。
たとえば、320iの前期モデルに搭載されるN20エンジンは、そのバランスの取れた性能と燃費効率で多くのドライバーから評価されています。
また、この期間のモデルは、比較的シンプルな電子装備を搭載しているため、後期モデルに見られる複雑な電子系のトラブルが少ないというメリットもあります。
デザイン面では、古典的なBMWのスタイリングを保持しつつ、現代的な要素を加えることで、洗練された外観を実現しています。
これらの特徴により、前期モデルは、信頼性とスタイルを重視するドライバーにとって魅力的な選択肢となっています。
後期モデルの改良ポイント
一方、BMW F30の後期モデルでは、多くの改良が施されています。
特に注目すべきは、エンジンのアップグレードです。
320iでは、エンジンがN20からB48に変更され、これにより燃費効率が向上し、出力も高められています。
さらに、ヘッドライトは全車LED化され、夜間の視認性が大幅に向上しています。
インフォテインメントシステムも更新され、より直感的な操作が可能になっているほか、安全装備も強化されており、ドライバーと乗員の安全をより一層守ることができます。
これらの改良ポイントは、最新技術を取り入れたいと考えるドライバーにとって、後期モデルが魅力的な理由となっています。
エンジン性能の比較:N20対B48
BMW F30の前期モデルに搭載されるN20エンジンは、2.0リッターの直列4気筒ターボエンジンで、平均的な燃費と優れた加速性能を提供します。
このエンジンは、力強いトルクと高い効率性で、多くのBMW愛好家から高い評価を受けています。
一方で、後期モデルに搭載されるB48エンジンも、同じく2.0リッター直列4気筒ターボエンジンでありながら、より最新の技術を用いて燃費効率をさらに向上させ、出力を増強しています。
B48エンジンは、N20エンジンの基本設計を踏襲しつつ、内部の熱管理や摩擦低減技術の改善により、性能の最適化を図っています。
結論として、N20エンジンは堅実な性能を提供しますが、B48エンジンは最新技術の導入により、さらに洗練された運転体験を実現しています。
故障リスクとメンテナンスコスト
BMW F30の前期型と後期型を比較する際、故障リスクとメンテナンスコストは重要な考慮事項です。
前期型に搭載されているN20エンジンは、一部のオイルリークやタイミングチェーンの問題など、特定の故障傾向が報告されています。
これらの問題に対処するためには、適切なメンテナンスと定期的な点検が必要であり、場合によってはそれなりの修理コストが発生することもあります。
一方、後期型に搭載されるB48エンジンは、N20エンジンの故障傾向を踏まえた上で設計されており、故障リスクは低減されています。
しかし、最新技術を多用することで、特定の部品やシステムが複雑化しており、修理や交換が必要になった際のコストが高くなる可能性も考えられます。
どちらのモデルも、長期的なコストパフォーマンスを考える上で、定期的なメンテナンスと早期の問題発見が鍵となります。
最適なモデルの選び方:購入する際のポイント
BMW F30の購入を検討する際、最適なモデル選びは非常に重要です。
自分に合ったモデルを見つけるためには、まず使用目的を明確にしましょう。
日常の通勤や買い物など軽用途なら、燃費効率やメンテナンスコストが低いモデルを優先するのが賢明です。
一方、長距離の運転が多い場合は、快適な乗り心地や高い安全性を提供するモデルが適しています。
F30の前期型と後期型には、それぞれ特有の特徴があります。
後期型は最新技術が導入されているため、予算内で最新の装備を求める場合に適しています。
一方で、前期型はコストパフォーマンスに優れており、安価で購入可能です。
エンジン性能、燃費効率、安全装備などのスペックを総合的に比較し、パワフルなエンジンを求めるならB48エンジン搭載の後期型、燃費効率を重視するなら320dモデルを検討すると良いでしょう。
中古車を選ぶ場合、過去の整備記録や走行距離を確認し、潜在的な故障リスクを見極めることが不可欠です。
実際に試乗してみて、自分の感覚で乗り心地や操作性を確かめることも大切です。
信頼できる販売店を選び、整備記録の確認も怠らないようにしましょう。
これらのポイントを総合的に考慮して、自分にとって最適なBMW F30モデルを選択することが重要です。
BMW F30 320i 前期と後期の違いは?エンジン性能比較 まとめ
- BMW F30 320iの前期型にはN20エンジンが搭載される
- 後期型ではエンジンがB48に変更
- B48エンジンは環境性能が向上し、効率的
- N20エンジンは最大出力184馬力、最大トルク27.5kgmを発揮
- N20エンジンは燃費効率良く、WLTCモードで平均燃費約16.0km/L
- B48エンジンの最大出力は184馬力から258馬力へ向上
- B48エンジンは最大トルク36.7kgm、燃費平均17.0km/L
- 320dモデルでは前期型にN47エンジン、後期型にB47エンジン搭載
- N47エンジンは最大出力184馬力、最大トルク38.7kgm
- B47エンジンは最大出力190馬力、最大トルク40.8kgm
- 後期型でヘッドライトがLED化、夜間視認性が向上
- 前期型はオイル漏れや冷却系統のトラブルが比較的多い
- 後期型はインフォテインメントシステムの不具合やエアコンの問題が報告されることがある
- 後期型は最新技術の導入により故障リスクが低減
- 前期型は比較的シンプルな電子装備が故障しにくい
- N20エンジンは軽量化により敏捷な運転感覚を実現
- B48エンジンは内部の熱管理や摩擦低減技術で性能最適化を図る